イブン・アラビー
12-13世紀のイスラム神秘主義者・哲学者。「最大の師」と呼ばれ、イスラム神秘主義の理論的基盤を確立した。「存在の一性」の思想で、万物は神の顕現であると説いた。「完全人間」の概念を提示し、人間が神の属性を完全に体現できる存在であることを示した。主著「メッカの征服」「知恵の台座」は神秘主義の古典とされる。「あなたがたは神の鏡であり、神もあなたがたの鏡である」という言葉で神と人間の関係を表現した。その思想は後のイスラム哲学に大きな影響を与え、現在でも神秘主義研究の重要な対象となっている。