トマス・アクィナス
13世紀の神学者・哲学者。スコラ学の完成者として知られ、アリストテレス哲学とキリスト教神学の統合を図った。「神学大全」は中世最大の神学書として現在でも参照される。ドミニコ会の修道士として活動し、「天使博士」とも呼ばれた。神の存在証明や自然法理論など、理性と信仰の調和を追求した思想は、カトリック教会の公式教義の基盤となった。「恩寵は自然を破壊するのではなく、これを完成させる」という言葉で、理性と信仰の関係を表現した。その影響は神学にとどまらず、哲学、倫理学、政治学など広範囲に及んでいる。