南方熊楠
日本の博物学者、民俗学者。明治時代に世界各地を遊学し、菌類研究で国際的な評価を得た。和歌山県の神社合祀反対運動を展開し、日本初の自然保護運動を主導した。粘菌の研究で知られ、生命現象の複雑さと美しさを追求した。民俗学と自然科学を融合させ、「事不思議」の概念で世界の神秘を表現した。萃点(すいてん)の思想で、すべての現象の相互関連性を説いた。「自然と人間の文化は切り離せない」として、文化的景観の保護の先駆けとなった。エコロジーと文化の統合を図った日本独自の自然思想家として、現在でも高く評価されている。